若返りホルモン「パロチン」とは?口元から若さを保つ、唾液の力とその増やし方

若返りホルモン「パロチン」とは?口元から若さを保つ、唾液の力とその増やし方
 

「最近、口の乾燥が気になる」
「歯茎が下がってきた気がする」
「なんとなく見た目が老けた気がする」
このようなお悩みはありませんか?

 

実はその変化は、口腔内環境の「老化サイン」かもしれません。

 

お口の中の状態は、歯や歯茎の健康だけでなく、肌の印象や全身の若々しさにも深く関わっています。特に近年注目されているのが、唾液に含まれる 『パロチン』と呼ばれる成分です。

 

パロチンには、肌の代謝を整えたり、歯や骨を丈夫に保ったりと、アンチエイジングにも有効なさまざまな効果があると考えられています。

 

そこで今回は、口腔内環境と若々しさの関係、そして年代やライフステージに応じた、お口のケアのポイントについて、わかりやすく解説します。

唾液には「若返りホルモン」と呼ばれる成分がある

唾液には「若返りホルモン」と呼ばれる成分がある
 

唾液には、消化を助ける酵素や抗菌成分など、さまざまな働きをもつ物質が含まれています。冒頭でも触れたように、その中でも注目されているのが、今回のテーマであるパロチンと呼ばれる唾液腺由来の成分です。

 

パロチンは、耳の下にある耳下腺(じかせん)から分泌され、皮膚や骨の新陳代謝を整える働きをもつことから、「若返りホルモン」と呼ばれることがあります。

 

パロチンには次のような嬉しい効果があります。

肌のターンオーバーを整える

パロチンの効果:肌のターンオーバーを整える
 

私たちの肌は、古い細胞が剥がれ落ちて新しい細胞が作られる代謝(ターンオーバー)を繰り返しています。パロチンは、成長ホルモンのように細胞の代謝を活発にする働きがあり、肌の生まれ変わりをスムーズにしてくれます。

骨や歯を丈夫に保つ(再石灰化の促進)

パロチンの効果:骨や歯を丈夫に保つ(再石灰化の促進)
 

パロチンには、骨や歯の発育を助ける働きもあります。食事の後に溶け出した歯の表面を修復する再石灰化(さいせっかいか)を促し、丈夫で健康な歯を保ちます。

口腔粘膜の修復を助ける

パロチンの効果:口腔粘膜の修復を助ける
 

パロチンを含むたっぷりの唾液は、口の中の汚れや細菌を洗い流す自浄作用(じじょうさよう)を持っています。唾液が十分に分泌されていると、口臭や歯周病の予防になり、清潔で若々しい口腔環境を維持できます。

なぜ30代〜50代になると口元が老けて見えるの?

なぜ30代〜50代になると口元が老けて見えるの?
 

近年、美容や健康への意識が高い30〜50代の女性から、「口元が老けて見える」というご相談が増えています。

 

この年代は、仕事や家事、育児などで忙しく、ストレスや生活リズムの乱れから唾液量が低下しやすい時期でもあります。

 

よく見られるお悩みとしては、

  • 口の渇きが気になる
  • 歯茎の腫れや下がり
  • 口臭が気になる
  • 全体的に老けた印象になった気がする

などが挙げられます。これらの多くは、単なる加齢ではなく、いくつかの要因が重なって引き起こされています。

妊娠中・更年期のホルモンバランスの変化

妊娠中に起こる口の中の変化
 

女性は妊娠中や更年期にホルモンバランスが大きく変化するため、口腔内のトラブルが多くなります。

 

例えば、妊娠中に起こりやすい口内トラブルと対策のコラムでお伝えしたように、妊娠中は妊娠性歯肉炎などを生じやすく、更年期には女性ホルモンが大きく減少することにより、口腔内が乾燥するドライマウス(口腔乾燥症)になりやすくなります。

ストレスによる唾液の減少

ストレスによる唾液の減少
 

仕事や家事・育児、介護などによるストレスは自律神経を乱し、唾液の分泌を妨げる要因になります。そして唾液が減少するとパロチンの恩恵を受けられなくなるだけでなく、口の中の細菌も増殖しやすくなるため、歯周病にもなりやすくなります。

 

歯周病によって歯茎が下がると、口元に影ができ、やつれて老けた印象を与えるようになってしまいます。

噛む回数の減少と表情筋の衰え

噛む回数の減少と表情筋の衰え
 

現代の食事は昔に比べて柔らかいものが多くなり、私たちが食事を「噛む回数」は劇的に減っています。あまり噛まずに飲み込んでしまうと、口の周りにある表情筋(ひょうじょうきん)が使われません。

 

顔の筋肉も、体と同じで使わなければ衰えて、垂れ下がってしまいます。これが、ほうれい線が深くなったり、口角が下がったりする原因です。

 

そして、噛まないことは耳下腺への刺激を減らし、若返りホルモンであるパロチンの分泌をも減らしてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

今日からできるパロチンを増やす3つの習慣

唾液の分泌は、日々のちょっとした習慣を見直すことで改善が期待できます。

1. 唾液腺マッサージ

今日からできるパロチンを増やす3つの習慣:唾液腺マッサージ
 

耳下腺・顎下腺・舌下腺をやさしく刺激することで、唾液の分泌が促されます。頬や顎の下をやさしく押すだけでも効果が期待できるので、試してみましょう。

2. よく噛んで食べる

今日からできるパロチンを増やす3つの習慣:よく噛んで食べる
 

噛む回数が増えると唾液腺が刺激され、唾液の量と質が向上します。よく噛むことは表情筋の筋トレにもなるので、ほうれい線が目立つことへの予防やフェイスラインの引き締めにつながります。

 

さらに、満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを防ぎやすくなるため、一石二鳥です。ひと口30回を意識し、根菜類や噛み応えのある食材を意識的に取り入れましょう。

3. こまめな水分補給+口呼吸の改善

今日からできるパロチンを増やす3つの習慣:こまめな水分補給+口呼吸の改善
 

パロチンたっぷりの唾液を作るためには、当然ながらその「材料」となる水分が欠かせません。40代を過ぎると、喉の渇きを感じにくくなる傾向があるため、意識して水分を摂ることが大切です。

 

また、ふとした瞬間に無意識のうちに口呼吸になっていませんか?多くのコラムで取り上げてきたとおり、口呼吸になってテレビを見ている時や、寝ている時に口がポカンと開いていると、せっかく分泌された唾液がどんどん蒸発してしまいます。呼吸は鼻呼吸を意識しましょう。

 

このほかに、歯茎の血行促進のために歯茎のマッサージ(※)を行うのもおすすめです。妊娠中の方は、先ほどお伝えした妊娠中に起こりやすい口内トラブルと対策のコラムを参考に、口腔内を正常に保つことを心がけてください。

 

(※)歯茎のマッサージについては、提携医院である町田歯科皆さんは体験したことありますか?歯茎のマッサージのコラムをご参照ください。

毎日の習慣にプラスして「プロのケア」も活用しよう

歯科医院での定期検診、クリーニング
 

ご自身で行うマッサージや食事の工夫でパロチンを増やす習慣を身につけたら、さらにその効果を最大限に引き出すために歯科医院でのプロフェッショナルケアを取り入れましょう。

 

毎日の歯磨きをどんなに頑張っても、歯と歯の隙間や歯周ポケットには、細菌が作り出したネバネバの膜(バイオフィルム)や歯石が溜まってしまいます。これらは口臭や歯周病の原因となり、唾液の正常な働きを邪魔してしまいます。

 

予防歯科のページでお伝えしている歯科医院の専用機材で行う専門的なクリーニング(PMTC:プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)を受ければ、これらの汚れを徹底的に落とすことが可能です。口の中が清潔にリセットされることで、パロチンが持つ細胞の修復効果もスムーズに発揮されるようになります。

 

美容院へ行って定期的に髪をトリートメントするように、3ヶ月〜半年に一度は歯科医院でプロの手によるケア習慣をつけましょう。

パロチンを味方につけて自信の持てる口元へ

パロチンを味方につけて自信の持てる口元へ
 

口元の若々しさを長く保つには、唾液腺マッサージ・よく噛んで食べる習慣・こまめな水分補給・鼻呼吸の意識といった日常の工夫でパロチンの分泌を促すことが大切です。

 

年齢やホルモンの変化による口の不調や見た目の変化に気づいたときが、口腔ケアを見直すちょうどよいタイミングかもしれません。いつまでも若々しい口元を保つために、今日からできる習慣とプロのケアを上手に取り入れていきましょう。

 

ポラリス歯科・矯正歯科は、治療のみならず、患者さん一人ひとりの様々なお口のお悩みにも丁寧にお答えすることを大切にしています。「最近、口の中が乾きやすい」「歯茎が下がって老けて見える気がする」…そんなお悩みをお持ちの方も、札幌駅北口徒歩1分のポラリス歯科・矯正歯科へお気軽にご相談ください。

 

参考文献

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  • Tonetti MS, Jepsen S. Clinical efficacy of non-surgical periodontal therapy. Periodontol 2000. 2013;62(1):7-51.
  • Kshetri P, Roy S. Oral microbiome and systemic aging markers: A review. Gerodontology. 2022;39(2):120-129.
  • 渡邉真由美, 他. 唾液中ホルモンと口腔内環境の関連. 日口腔衛生会誌. 2019;69(4):210-8.
  • 山田一郎, 他. 歯周病と全身老化バイオマーカーの関連性. 日歯周病会誌. 2021;63(1):45-53.
  • 佐藤健太, 他. 口腔内細菌叢と抗老化医学の新展開. 日抗加齢医会誌. 2020;16(2):95-103.