歯ぎしりによる弊害

ポラリス歯科・矯正歯科を運営する医療法人社団 千仁会(せんじんかい)は、常に患者さんの立場になって考えることを基本理念としています。専門性を持つ多くの歯科医師・歯科衛生士が在籍し、チームとなって診療を行うことで、患者さん一人一人に最適な歯科治療を提供いたします。

 

この千仁会の理念に基づき、ポラリス歯科・矯正歯科のコラムでは、多くの方に「歯」についての情報をお伝えしていきますので、ぜひ日頃の歯の健康のためにご活用ください。もちろんご不明な点や実際の治療をお考えの方は、来院予約からお気軽にご連絡いただければと思います。

歯ぎしりは意外とトラブルを引き起こす

歯ぎしりによる弊害
 

さて、最初のコラムは「歯ぎしり」についてです。ストレスの多い現代人は、歯ぎしりに悩まされる方も多くいらっしゃいます。ポラリス歯科・矯正歯科にもご相談が多く寄せられる、歯のお悩みの一つです。

 

歯ぎしりにはいくつか種類がありますが、いずれも歯や顎、口周りの咬む筋肉などに悪い影響を及ぼすことが知られています。

 

家族から歯ぎしりを指摘されて気にしている方や、朝起きて頭が痛み、気になって歯ぎしりを自覚される方もいらっしゃるかもしれません。また、歯ぎしりをしているのを自覚しないまま生活している方もいて、虫歯がないのに歯が痛むことが気になり、当院に来院されることもあります。

 

今回はそんな歯ぎしりに注目して、起こりうるトラブルや治療方法をご紹介しましょう。

歯ぎしりの種類

歯ぎしりの種類
 

歯ぎしりはその動かし方で、大きく3つのパターンに分けることができます。

  1. グラインディング
  2. クレンチング
  3. タッピング

これら3種類です。各々について解説していきましょう。

グラインディング

グラインディングはいわゆる一般的な歯ぎしりで、顎を左右に動かしてギリギリさせる動きになります。音が鳴ることも多いので、これによりご家族から指摘される場合があります。

クレンチング

クレンチングは歯と歯を咬み合わせて力を入れるタイプです。食いしばりの状態を指します。顎を左右や上下に動かすわけではないので、音が鳴ることがあまりなく、指摘されることは少ないかもしれません。しかし、気付かずに放置してしまうと、歯周病の悪化や様々なトラブルを引き起こしてしまいます。

タッピング

タッピングは歯をカチカチと咬み合わせる状態を指します。タッピングは、音が鳴るので指摘されることもあるでしょう。グラインディングやクレンチングと異なり、力が一時的に働くので、グラインディングやクレンチングよりも、影響は比較的少ないと言われています。

歯ぎしりの悪影響

歯ぎしりの悪影響
 

お伝えしてきたのが歯ぎしりの3タイプです。タイプごとに差はあるものの、いずれも口や顎、筋肉に影響を及ぼすのは事実です。

 

歯ぎしりが続くと、歯の痛みやしみる症状、歯周病を悪化させることが知られています。長期的な強い力であれば、歯をすり減らすこともあり、時として歯が折れてしまうこともあります。

 

また、歯に詰め物をしていれば、その詰め物が外れてしまう原因にもなります。虫歯でないのに詰め物がよく外れる場合は、咬み合わせや歯ぎしりなどの問題が隠れていることがあります。

 

そのほかにも、いわゆる顎関節症を引き起こす可能性もあります。顎関節症には顎がカクカクなるパターンもありますが、咬む時に働く筋肉の周囲に痛みが生じるパターンもあります。これら以外に、朝起きてから肩や頭の痛みが生じる場合もあります。

歯ぎしりの防止

自分で行うもの

自分で行う歯ぎしりの防止
 

歯ぎしりの種類や悪影響をご理解いただいたうえで、日頃からご自身で行える対処法をご紹介しましょう。

 

まず、普段の皆さんのお口の状況を確認してみてください。鏡の前で口を見て、唇が閉じている状態を確認し、歯の位置に注目します。私たちは何もしていない状態であれば安静時空隙(あんせいじくうげき)といって、歯と歯が2ミリ前後、当たっていない状態が維持されるようになっています。

 

普段から歯と歯が当たっている状態であれば、それ自体が正常な状態ではないので注意が必要です。歯と歯は、接しているだけで物理的に力が生じてしまうので、負担になってしまいます。歯ぎしりをしないためには、この安静時空隙を日頃から意識することが大切です。治療の一環と考えても良いでしょう。

 

歯ぎしりをしてしまう方は、まずはご自身が歯ぎしりをしていることを自覚するのが大切です。日中の何気ない時に、歯と歯が当たっていないか、当たっているのであれば、歯を離すようにリラックスするのがポイントです。安静時空隙が維持されているかを確認してください。

 

また、歯ぎしりをすると、どうしても口や顎の周囲の筋肉が固くなるので、マッサージを行って緩和する方法も有効です。

歯科医院での治療

歯科医院での歯ぎしりの治療,マウスピース
 

歯科医院で行う方法として一般的なのは、マウスピースを作成することです。マウスピースといっても、スポーツ選手が使うようなしっかりとしたものではなく、少し厚みのあるプラスチック材料のものを装着します。中には柔らかいゴムのような材質で作成するものもあります。

 

基本的に歯ぎしりをする方の多くは、夜間の無意識下で行うので、夜寝る際に装着することになります。このマウスピースをナイトガードとも呼びます。

 

就寝時に装着するので、最初は慣れないかもしれません。また、これを装着するだけで歯ぎしりを完全に止められるわけではないので、あくまで対症療法として使用することになります。

 

ただし、歯を削ることもなく、装置を外せば元の状態に戻すことができる利点があり、歯自体や歯に入っている被せ物や詰め物を守ることにもなるので、多く行われる治療法です。

 

ほかにも薬物や特別な器具を使う場合もありますが、広くは普及しておらず、あまり一般的ではありません。

歯ぎしりのお悩みもポラリス歯科・矯正歯科へ

歯ぎしりのお悩みもポラリス歯科・矯正歯科へ
 

歯ぎしりは、意外とトラブルを引き起こしやすい悪い癖の一つと言えます。しかし、原因が完全に特定されているわけではなく、個々のお口の状態、心理的状態、全身状況、服薬状況などから、結果として歯ぎしりを起こしていることが多いのです。

 

個人レベルで行える予防としては、まず歯ぎしりを自覚し、歯と歯が当たらないように日頃から気にする必要があります。それでも改善が難しいのであれば、歯科医院でマウスピースの作成なども視野に入れ、治療を行うことになります。

 

歯ぎしりはすぐに改善することが難しいので、長期的な目線で治療する必要があります。虫歯でないにもかかわらず、歯や頭・顎の痛み、違和感などがある場合は、お気軽にポラリス歯科・矯正歯科にご相談ください。