シーラントによる虫歯予防

シーラントによる虫歯予防
 

皆さんは、お子さんの虫歯予防と聞くと、何をイメージしますか?

 

歯磨きでしょうか?あるいはフッ素(フッ化物)塗布でしょうか?
もちろん、歯磨きをきちんと行うことは、虫歯予防の基本ですし、歯科医院で行うフッ素塗布も有効ですね。

 

実は、これらの他にシーラントという予防法があります。歯磨きやフッ素ほどは知られておらず、初めてお聞きになる方もいらっしゃるかと思います。今回は、そんなシーラントによる虫歯予防についてご紹介します。

シーラントって?

シーラントとは、正式にはフィッシャーシーラント(fissure sealant)といい、日本語では小窩裂溝填塞と呼びます。
 

シーラントは、正式にはフィッシャーシーラント(fissure sealant)といい、日本語では小窩裂溝填塞(しょうかれっこうてんそく)と呼びます。

 

ずいぶん難しい漢字で驚かれたかもしれませんが、ご安心ください。お口を開けて、鏡でご自身の歯を見てみましょう。歯が噛み合う面には溝やくぼみがあり、複雑な形をしていますよね。

 

小窩裂溝(しょうかれっこう)とは、この歯の噛み合わせ面などに見られる、細い溝や小さなくぼみのことです。詳しく言うなら、くぼみが小窩(pit)歯の溝が裂溝(fissure)を意味し、小窩裂溝には複数のタイプがあります。

 

シーラントとは、この歯のくぼみや溝である小窩裂溝を、セメントなどで埋めてしまう(填塞)処置を指します。このため、英語の正式名称ではフィッシャーシーラント(小窩裂溝の填塞)と呼ばれるんですね。

シーラントの目的

シーラントの目的
 

では、なぜ(フィッシャー)シーラントを行うのでしょうか?小窩裂溝は、上述のとおり歯のくぼみや溝であり、その深さは人それぞれです。歯の溝やくぼみが深いと、そこに食べ物や虫歯菌が入り込みやすく、歯ブラシの毛先も届きづらいため、虫歯になる可能性が高くなってしまいます。

 

ましてや小さなお子さんともなれば、丁寧に細かく歯磨きをするのは難しいものです。そのため、小窩裂溝を虫歯から守るために塞ぐのがシーラントの目的になります。

シーラントの対象となる歯

シーラントの対象となる歯は、乳歯の奥歯や、新たに生えてくる奥歯の永久歯である6歳臼歯(第一大臼歯)や12歳臼歯(第二大臼歯)になります。

小さなお子さんの生えて間もない歯は、まだエナメル質もやわらかくて弱く、虫歯になりやすい状態です。特に6歳臼歯と呼ばれる第一大臼歯は、初めて生える永久歯であり、歯ブラシも届きにくく、虫歯になりやすいので注意が必要です。

 

このため、主にシーラントの対象となる歯は、乳歯の奥歯や、新たに生えてくる奥歯の永久歯である6歳臼歯(第一大臼歯)や12歳臼歯(第二大臼歯)になります。虫歯になりやすいこれらの歯に対し、シーラントを行うことで、虫歯を未然に防ぎます。

 

また、歯科治療というと、歯を削るというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、シーラントは歯を削りません。歯はそのままに、小窩裂溝部分にセメントを詰める方法を採りますので、お子さんの歯を傷める心配もありません。

シーラントと保険診療

シーラントは保険診療ですが、保険適用となるのは、6歳~12歳までのお子さんで、乳歯や生えてきた永久歯が、初期の虫歯と診断される場合です。
 

シーラントの処置は保険診療に含まれています。ただし、保険適用となるのは、6歳~12歳までのお子さんで、乳歯や生えてきた永久歯が、初期の虫歯と診断される場合です。

 

保険診療では、病気の予防は認められていませんので、虫歯予防のシーラントや、13歳以上のお子さんの場合は自費診療となります。

シーラントの虫歯予防効果

では実際に、シーラントの虫歯予防効果について説明しましょう。

小窩裂溝に虫歯ができにくくなる

シーラントを行うことで、小窩裂溝に虫歯ができにくくなる
 

歯の小窩裂溝部分を埋めると、歯の溝やくぼみが外部から隔離されます。そうすると、食べかすも入りませんし、虫歯菌も入らなくなります。

 

虫歯治療のページでお伝えしているように、虫歯とは、ミュータンス菌が作り出す乳酸が歯を溶かすために起こる病気です。小窩裂溝が塞がっていれば、食べ物が詰まらなくなるうえ、虫歯菌も歯の溝やくぼみに入ってこなくなるので、小窩裂溝部分に虫歯が生じにくくなります。

初期虫歯の進行抑制

ごく初期の虫歯であれば、虫歯部分を含め、小窩裂溝を削らずにそのままシーラントで埋めることができます。
 

シーラントを受けようとした時に、「すでに、小窩裂溝部分にごく初期の虫歯が生じていた」というケースも考えられるでしょう。

 

通常であれば、虫歯を削り、詰め物などをすることになりますが、ごく初期の虫歯であれば、虫歯部分を含め、小窩裂溝を削らずにそのままシーラントで埋めることができます。こうすることで、小窩裂溝部分が外部から遮断され、虫歯の進行が抑えられます。

フッ素による歯の強化

近年のシーラント材にはフッ素が含まれています。小窩裂溝部分をシーラントで埋めると、含まれるフッ素が歯を強化して、虫歯になりにくくしてくれます。

 
厚生労働省の発表によれば、シーラントを行った後の歯は、4年以上にわたり、約60%もの虫歯予防効果が確認されています。
 

厚生労働省の発表によれば、シーラントを行った後の歯は、4年以上にわたり、約60%もの虫歯予防効果が確認されています。お子さんの虫歯を未然に防ぐという観点から見ると、とても効果的な予防法と言えるでしょう。

シーラントとフッ素塗布を併用

フッ素塗布の効果

先ほど、シーラントに含まれるフッ素が歯の強化に役立つとお伝えしました。シーラントに加え、フッ素を歯に塗布すると、より高い効果が見込めます。

 
フッ素塗布の効果
 

フッ素塗布とは、歯科医院でフッ素が含まれたペーストを、歯に直接塗る処置のことです。フッ素塗布の効果を向上させるために、歯のクリーニングも合わせて行いますので、歯をきれいに保つことにもつながります。

 

フッ素には、

  • 虫歯菌の活動を抑える
  • 溶かされた歯を元に戻す(再石灰化)
  • 歯を溶かされないように強くする

という3つの作用があり、これらの働きで虫歯を予防します。歯科医院で行うフッ素塗布は、特に「溶かされた歯を元に戻す」「歯を溶かされないように強くする」効果が高いので、かかりつけの歯科医院を訪れる際に行ってもらうと良いでしょう。

 

フッ素塗布以外に、ご自身で行えるフッ素の活用としては、フッ素入りの歯磨き粉での歯磨きや、フッ素入りの洗口液によるうがいも挙げられます。

シーラントにフッ素塗布を組み合わせる効果

シーラントにフッ素塗布を組み合わせると、歯全体を虫歯から守ることができる
 

シーラントは優れた虫歯の予防法ですが、歯全体にシーラントをすることはできません。あくまでもシーラントの虫歯予防効果が得られるのは、小窩裂溝部分だけです。

 

小窩裂溝以外の部分の虫歯を予防するには、歯をきれいに磨くと同時に、フッ素を作用させることが大切です。

 

前述のとおり、フッ素塗布は高い虫歯予防効果があり、もちろん小窩裂溝以外の虫歯も予防できます。つまり、シーラントにフッ素塗布を組み合わせると、歯全体を虫歯から守ることができるのです。

シーラントのメンテナンスとともに定期的な歯科検診を

シーラントのメンテナンスとともに定期的な歯科検診を
 

今回は、シーラントという虫歯予防法についてお話ししました。虫歯が発生しやすい箇所である歯の溝やくぼみを、シーラントによってあらかじめ埋めておくと、小窩裂溝の虫歯を予防できます。さらにフッ素塗布を組み合わせれば、より高い虫歯予防効果が期待できるため、メリットも多い治療法です。

 

ただし、注意していただきたいのは、シーラントを行ったからといって、100パーセント虫歯にならないわけではないということです。また、歯を削らずに処置を行うため、シーラント部分が外れてしまうこともあります。

 
医療法人社団 千仁会では、お子さんが安心して、楽しく歯科診療を受診できるクリニックを札幌で複数展開しております。
 

やはり大切なのは、定期的に歯科検診を受診し、シーラントを処置した歯に加え、お口の中全体の状況をしっかりと把握することです。また、定期的に歯科医院を訪れるようにすれば、予防歯科による歯のメンテナンスや歯磨き指導も受けられるため、お子さんの長期的な歯のケアにも有効です。

 

ポラリス歯科・矯正歯科が所属する医療法人社団 千仁会では、お子さんが安心して、楽しく歯科診療を受診できるクリニックを札幌で複数展開しております。シーラントにご興味のある方は、ぜひご相談ください。