歯の治療全般
知覚過敏によく効く新しい薬、フォースデンティンとは

「冷たいものを飲むたびに歯がしみてつらい」
「歯科医院で処置してもらったけれど数日でまたしみ始めた」
このようなお悩みはありませんか?
虫歯ではないのに歯がしみる「知覚過敏」。これまでの治療は、歯の表面に薄い膜を張るだけのものが多く、ブラッシングや食事で剥がれてしまうのが難点でした。
そんな中、登場したのが、今回ご紹介するフォースデンティン(The 4th Dentin)です。
今回は、フォースデンティンがなぜこれまでの薬より効果が期待できるのか、その仕組みや特徴、メリットについて解説します。
そもそも知覚過敏とは?

知覚過敏の正式名称は象牙質知覚過敏症(ぞうげしつちかくかびんしょう)といいます。名前のとおり、象牙質が冷たいものなどの刺激を敏感に感じる病気です。
歯は大きく分けて3つの層でできています。一番外側にある白くて硬いエナメル質、その内側の象牙質(ぞうげしつ)、そして歯の中心にある神経(歯髄:しずい)です。

象牙質は歯の大部分を占めている組織で、その中には象牙細管(ぞうげさいかん)と呼ばれるストローのように細い管が無数に通っています。この管は歯の神経から外側に向かって放射状に広がるように分布しています。
健康な状態では、歯冠(しかん)はエナメル質、歯根(しこん)は歯茎や骨でしっかり覆われているため、象牙質が外部にさらされることはありません。
ところが何らかの原因でエナメル質が薄くなったり、歯茎が下がって(歯肉退縮:しにくたいしゅく)歯の根の部分が見えるようになると、本来隠れているはずの象牙質が露出してしまいます。
このように象牙質が露出すると、冷たい水や熱いお茶、甘い食べ物、歯ブラシなどの刺激が象牙細管を通じて神経に刺激が伝わり、しみる痛みが生じるのです。
従来の知覚過敏治療の難しさ

知覚過敏は虫歯ではないため、歯を削って詰め物をするような治療は基本的に行いません。歯科医院では一般的に、知覚過敏抑制剤と呼ばれる薬剤を歯に塗布する方法が行われてきました。
これは、露出した象牙細管の入り口にフタをするように成分を沈着させて、刺激の伝達を遮断する治療法です。
しかし、象牙細管の太さは1~2マイクロメートル(髪の毛の太さの100分の1以下)と非常に細く、薬剤が浸透するのは困難です。
また、入り口だけを塞いでも、食事や歯磨きなどの刺激でコーティングした薬剤が剥がれてしまい、再び象牙細管が露出して知覚過敏になることもあります。そのため、何度も通院して薬を塗り直さなくてはなりません。
新しい知覚過敏抑制剤「フォースデンティン」とは?
こうした課題を解決するために作られたのが、株式会社メディボが開発した「フォースデンティン(The 4th Dentin)」です。
国産の知覚過敏抑制剤であり、フォースデンティンという名称は「第4の象牙質」を意味しています。エナメル質・象牙質・歯髄に次ぐもうひとつの保護層を歯に作り出すというコンセプトが込められた材料といえますね。
フォースデンティンが作用する仕組み

フォースデンティンは、A液とB液の2液で構成されています。
A液の主成分は、ナノサイズにまで超微細化された炭酸カルシウムです。通常の炭酸カルシウムとは異なり、特殊加工によって象牙細管の直径(1~2マイクロメートル)よりもはるかに小さなサイズに仕上げられています。そしてB液の主成分はリン酸です。
まずA液を知覚過敏が起きている歯に塗布すると、ナノサイズの炭酸カルシウムが象牙細管の奥深くまでスムーズに浸透します。次にB液を塗布すると、象牙細管の中で炭酸カルシウムとリン酸が化学反応を起こし、リン酸カルシウムが生成されます。
リン酸カルシウムは、反応前の炭酸カルシウムよりも分子サイズが大きいため、象牙細管の奥からしっかりと栓をするように塞ぐことができるのです。
従来の入り口だけを塞ぐ方法とは根本的にアプローチが異なり、象牙細管の内部から塞ぐため、日常の刺激で簡単に剥がれ落ちることがありません。
フォースデンティンのメリット
フォースデンティンには、以下のようなメリットがあります。
象牙細管の奥まで浸透する

上述のように、フォースデンティンのA液の主成分の炭酸カルシウムも、B液のリン酸も象牙細管より小さく作られています。このため、従来の薬剤では入り込みにくかった象牙細管の奥まで浸透していきます。
象牙細管を確実に塞ぎ、生体親和性も高い

こちらもお伝えしたように、炭酸カルシウムとリン酸が結合したリン酸カルシウムは分子のサイズが大きいので、象牙細管がしっかりと塞がれますし、象牙細管から抜け出しにくいという利点もあります。
しかも、リン酸カルシウムは歯の主成分と同じなので、歯の健康上の問題もありません。フォースデンティンは今までの象牙質知覚過敏症の薬よりも効果的に知覚過敏を抑えてくれます。
乾燥が不要

多くの知覚過敏の治療剤は、歯に塗る前に歯を乾燥させる必要があります。
歯を乾燥させるためには歯に風を吹きかけるしかないのですが、知覚過敏を起こしている歯に風が当たると、痛みを感じてしまいます。
フォースデンティンは、塗る前の乾燥が不要なので、このような痛みが生じません。
虫歯菌が増えにくくなる

A液とB液を混ぜたフォースデンティンは、弱アルカリ性です。虫歯菌などの細菌はアルカリ性の環境に弱いので、フォースデンティンを塗った歯では、虫歯菌などの増殖を防げるという効果も得られます。
虫歯治療で被せ物をつけるために削った歯に塗布すると、治療後に歯が痛くなるのを防げますし、目に見えないような細かなヒビ(マイクロクラック※)の入った歯に塗れば、ヒビからの神経への刺激を防ぐこともできます。こういった各種治療用途の広さもフォースデンティンの利点と言えるでしょう。
(※)歯にマイクロクラックが入るクラックトゥース症候群(CTS)については、提携医院である町田歯科のクラックトゥース症候群とは?のコラムをご参考になさってください。
使用方法が簡単で保険適用

フォースデンティンは、A液とB液と分けて使ってもいいですし、A液とB液を混ぜても使えます。どちらも歯に塗って拭き取るだけなので、使い方はとても簡単です。
さらにフォースデンティンは保険適用のため、保険診療で受けることができますから、コスト面でもメリットがあります。
フォースデンティンのデメリットはほとんどない
フォースデンティンのデメリットは、実はほとんどありません。あえていえば、2024年に発売された比較的新しい材料であるため、現時点ではすべての歯科医院で導入されているわけではないことです。
「フォースデンティンで治療を受けたい」と思った場合は、フォースデンティンを採用している歯科医院を探す必要があります。
繰り返す知覚過敏に悩んでいるなら早めに相談を

今回ご紹介したフォースデンティンは、国産の新しい知覚過敏の薬です。すべての歯科医院が取り扱っているわけではありませんが、従来の知覚過敏抑制剤よりも様々なメリットがあることをご理解いただけたかと思います。
知覚過敏は「そのうち治るだろう」と放置してしまいがちですが、症状が長引くほど象牙細管へのダメージが蓄積し、改善に時間がかかるケースもあります。
「冷たいものを食べるたびに歯がしみる」「なかなか知覚過敏が改善しない」といったお悩みをお持ちの方は、札幌駅北口すぐのポラリス歯科・矯正歯科へお気軽にご相談ください。






