抜歯即時インプラント・即時荷重インプラントとは?

抜歯即時インプラント・即時荷重インプラントとは?
 

インプラント治療をしたいけど、時間がかかるので迷っている」
「仕事で人前に立つ機会が多いから、見た目をすぐに整えたい」
インプラントに興味があっても、このようなお悩みから躊躇してしまう方は多いものです。

 

そんな方たちにご紹介したいのが、抜歯即時インプラント即時荷重インプラントという治療法です。通常のインプラント治療に比べて治療期間が短縮でき、通院回数も少なく、その日のうちに仮歯を入れられるなどの特長があります。

 

今回は、これらの治療法と通常のインプラントとの違い、そのメリット・デメリット、適応になりやすい条件や治療の流れなどについてお話しします。ご自身もこの治療を受けられるのかと気になる方は、ぜひ参考にしてくださいね。

抜歯即時インプラントと即時荷重インプラント

インプラントの構造

近年では、「抜歯したその日にインプラントを入れる」「手術当日から仮歯で見た目を整える」という方法が出てきています。まず、混同されやすい言葉の意味を整理しておきましょう。

抜歯即時インプラントとは

抜歯即時インプラントは「歯を抜いたその日にインプラントを埋める方法」
 

抜歯即時インプラントは、その名の通り「歯を抜いたその日にインプラントを埋める方法」です。

 

通常であれば、抜歯後に骨が治るのを数ヶ月待ってからインプラントを埋入しますが、この方法では抜歯してできた穴(抜歯窩:ばっしか)をそのまま活用します。

 

抜歯したあとの穴(抜歯窩)を利用してインプラントを埋めるため、骨を大きく削らずに済む場合があり、治療回数や期間を短縮しやすい点が特徴です。

 

ただし、抜歯部分の炎症が強い場合や、骨の量が少ない場合は適応にならないこともあります。CT撮影などで、骨や周囲組織の状態を詳しく確認したうえで判断します。

即時荷重インプラントとは

即時荷重インプラントは、「インプラントを埋めた直後から仮歯で噛めるようにする方法」
 

即時荷重インプラントは、「インプラントを埋めた直後から仮歯で噛めるようにする方法」です。この場合の「荷重」とは噛む力を意味しています。

 

通常のインプラントでは、インプラント体を埋入してから、オッセオインテグレーションによって骨と結合するまでの3〜6ヶ月間、歯がない状態で過ごすことになります。

 

一方、即時荷重インプラントでは、条件が整えば手術当日〜数日以内にアバットメント(人工歯の土台)と仮歯を装着できます。

 

ただし、即時荷重インプラントは、インプラントと骨がまだ完全に結合していない時期に仮歯を装着するため、硬いものを噛んだり強い力をかけることは避けてください。

抜歯即時荷重インプラントとは

抜歯即時荷重インプラント
 

抜歯即時荷重インプラントは、上述の抜歯即時インプラントと即時荷重インプラントを組み合わせた方法です。

 

歯を抜いたその日にインプラントを埋入して、同じタイミングで仮歯まで装着するため、歯がない期間をほとんど作らずに治療を進められるのが特徴です。

 

しかし、これはすべての方に適用できる治療法ではありません。骨の量や質、歯茎の状態、噛み合わせなど、満たすべき条件が多く、対応できる歯科医院も限られ、担当する歯科医師にも高度な診断力と技術が求められます。

通常のインプラントとの違い

通常のインプラントとの違い
 

インプラント治療と聞くと、「何回も手術が必要で、治療期間も長い」というイメージをお持ちの方は多いかもしれません。

 

実際、一般的なインプラント治療では、抜歯が必要な場合、

  1. 抜歯
  2. 数ヶ月かけて骨や歯茎が落ち着くのを待つ
  3. 手術によってインプラント体(人工歯根)を埋入する
  4. さらに数ヶ月かけて、オッセオインテグレーションによって骨としっかり結合するのを待つ
    ……

という流れで進みます。この間、部位によっては入れ歯や仮歯で対応しますが、歯がない期間や噛みにくい時期がどうしても生じやすく、この後に最終的な被せ物の製作・装着も行うので、治療期間も半年〜1年程度になることがあります。

即時荷重インプラントと抜歯即時インプラント、各々のメリットと注意点

抜歯即時インプラントのメリットと注意点

抜歯即時インプラントは、抜歯とインプラント手術を別々の日に行う必要がなく、治療期間を短くできるのが特長
 

抜歯即時インプラントは、抜歯とインプラント手術を別々の日に行う必要がなく、治療期間を短くできるのが特長です。

 

抜歯直後の骨の形を生かせるため、骨が瘦せてしまったり、歯茎の下がってしまうのを抑えやすいとされており、特に見た目が気になる前歯の治療ではメリットが大きいといえます。そして手術回数が少ない分、身体的なダメージ(侵襲性)や精神的な負担を軽くできる可能性もあります。

 

一方、最大の注意点は感染リスクです。もし抜歯する歯の根の部分に強い炎症があったり、大きな膿(うみ)の袋があったりする場合、その場所にインプラントを埋めるのは非常に危険です。無理に行うとインプラントの細菌感染が起き、脱落してしまう恐れがあります。

 

また、抜歯した穴とインプラントの隙間を埋めるために骨造成(※こつぞうせい:骨の量を増やす処置)が必要になるケースが多く、歯科医師の熟練度が成功を左右します。

 

(※)骨造成についてより詳しくは、提携医院であるインプラントオフィス大通インプラント治療における骨造成とはのコラムをご参照ください。

即時荷重インプラントのメリットと注意点

即時荷重インプラントの大きなメリットは、歯がない期間を短くできること
 

即時荷重インプラントの大きなメリットは、歯がない期間を短くできることです。手術当日から仮歯が入ることで、見た目の不安や会話のしづらさ、食事の際の不便さを軽減できます。

 

また、インプラント埋入と仮歯の装着を1回の処置で行うため、手術回数や通院回数を減らせる場合が多いのもメリットです。仕事が忙しい方や時間が取れない方にとって、通院の負担を抑えられるのはありがたいと言えるでしょう。

 

ただし、1日で仮歯の調整まで行うため、当日の手術時間はどうしても長くなります。

 
硬いものを強く噛んでしまうのは厳禁
 

また、手術直後のインプラントは、骨と完全に接着しているわけではなく、ネジのように食い込んでいる状態です。この時期に、硬いものを強く噛んでしまうのは厳禁です。せっかくのインプラントが動いてしまい、骨と接合しなくなるリスクがあります。

 

術後数週間は噛み方に注意する必要があり、生活のうえで、気をつけるポイントを守れるかどうかも、治療の成否を左右します。

抜歯即時インプラントと即時荷重インプラントが可能になる条件

抜歯即時インプラントや即時荷重インプラントは、すべての方に適用できるわけではありません。適応できるかどうかのチェックポイントを見てみましょう。

骨の状態が良いこと

抜歯即時インプラントと即時荷重インプラントが可能になる条件:骨の状態が十分であること
 

インプラントを埋めたその日に仮歯を支えるためには、インプラントが骨にしっかりと固定されることが絶対条件です。骨に十分な厚みがあり、密度が高く、硬さも十分であることが求められます。

 

骨の状態は歯科用CTで立体的に確認でき、この検査結果をもとに即時埋入が可能かどうかを判断していきます。

お口の中が健康であること

抜歯即時インプラントと即時荷重インプラントが可能になる条件:お口の中が健康であること
 

歯周病が進行しすぎて周囲の組織がダメージを受けている状態では、即時埋入は選択できません。感染が残ったままインプラントを埋め込むと、骨との結合がうまくいかなかったり、術後にトラブルが起きやすくなるためです。

 

まずは歯周病の治療を行い、お口の中を清潔な状態に整えてから、改めてインプラント治療を検討することになります。

全身の健康状態

抜歯即時インプラントと即時荷重インプラントが可能になる条件:全身の健康状態
 

全身の健康状態も重要です。コントロールされていない糖尿病、重い心臓病、骨粗しょう症の治療で薬を服用している場合などは、インプラント手術全体に慎重な判断が必要です。

 

これらの状態ではインプラントと骨の結合が妨げられたり、傷の治りが遅くなったりする可能性があるためです。

 

気になる全身疾患がある方は、主治医と歯科医師が連携しながら、どのタイミングで、どのような方法を選ぶかを一緒に検討していく流れになります。

抜歯即時インプラントや即時荷重インプラントが向いていないのは?

喫煙については、血流を悪化させてインプラントと骨の結合を妨げることが多くの研究で示されています
 

以下に該当する方は、即時荷重よりも従来法のほうが適している場合があります。

  • 骨の量が極端に少ない方
  • 重度の歯周病で、周囲の組織が感染している方
  • ヘビースモーカーの方
  • 生活上の制約(硬いものを噛まない等)が難しい方

特に喫煙については、血流を悪化させてインプラントと骨の結合を妨げることが多くの研究で示されています。治療の成功率を高めるため、また健康のことを考えても、禁煙を心がけてください。

即時荷重インプラント・抜歯即時インプラントの治療の流れ

即時荷重インプラント・抜歯即時インプラントの治療の流れ
 

即時荷重インプラント・抜歯即時インプラントのおおまかな治療の流れは、次のようになります。

  1. 検査と診断
  2. 治療計画の説明
  3. 抜歯(抜歯即時インプラントの場合)
  4. インプラント手術・仮歯の装着
  5. 経過観察と最終的な被せ物の装着

検査ではレントゲンや歯科用CT、型取りなどを行い、骨や歯茎の状態(炎症の有無等の検査)、噛み合わせを確認し、条件が整えば手術当日〜数日以内に仮歯を装着します。経過に合わせて仮歯を調整し、骨との結合を確認してから最終の被せ物の製作・装着へと進みます。

 

抜歯即時インプラントの場合、部位や噛み合わせによっては同時に仮歯を入れることもありますが、手術だけを先に行い、仮歯は数ヶ月待つ計画にするケースもあります。

抜歯即時インプラントと即時荷重インプラントの治療期間や費用

抜歯即時インプラントと即時荷重インプラントの治療期間や費用
 

先述のとおり、一般的なインプラント治療では、抜歯から最終的な被せ物の装着まで半年~1年程度かかることもあります。

 

抜歯即時インプラントと即時荷重インプラントの場合、条件が整えば、数ヶ月程度で最終的な被せ物の装着まで進められることもありますが、全ての方に当てはまるわけではありません。

 

また、インプラントは基本的に自由診療(保険適用外)です。抜歯即時・即時荷重インプラントの費用相場は、使用するインプラントメーカーや被せ物の材質(金属にするかセラミックにするか等)、骨造成の有無などによって変わりますが、1本あたり30万円〜50万円程度が一般的です。

 

ただし、安さだけで選んでしまうと、安価なインプラントを使用していたり、検査内容やメンテナンスをしっかりと行える体制や治療設備が十分でない場合もあります。

 

費用だけでなく、きちんと納得のいく説明をしてくれるか、知識と経験が豊富な歯科医師が在籍しているか、設備が充実していて治療後のフォロー体制が万全かなど、しっかりと比較することが大切です。

患者さん一人ひとりにぴったりのインプラント治療を

患者さん一人ひとりにぴったりのインプラント治療を
 

抜歯即時インプラントや即時荷重インプラントは、歯がない期間をできるだけ短くし、治療期間や手術回数の負担を減らせるというメリットがある治療法です。

 

一方で、骨や歯茎の状態、全身の病気、生活習慣などの条件が整っていることが必要であり、すべての方に適しているわけではありません。

 

大切なのは、メリットと注意点の両方を理解したうえで、自分にとって納得できる治療法を一緒に選んでいくことです。

 
患者さん一人ひとりにぴったりのインプラント治療を
 

ポラリス歯科・矯正歯科では、豊富な知識と経験を有する医療法人社団 千仁会の専門医が在籍し、充実した設備のもと、綿密なカウンセリングと検査を通して、患者さん一人ひとりにぴったりのインプラント治療をご提案いたします。

 

「できるだけ早く歯の機能を回復させたい」「見た目をなるべく早く整えたい」というご希望がございましたら、札幌駅すぐのポラリス歯科・矯正歯科へ、お気軽にご相談ください。

 

即時荷重インプラントについては、提携医院であるインプラントオフィス大通1日で歯が入るインプラント治療とは?のコラムでも解説しておりますので、インプラントオフィス大通へ通院される方は、そちらも併せてご参照ください。