虫歯の悪化を防ぐには

虫歯の悪化を防ぐには
 

虫歯は進行すると歯が傷んだり、食事が摂れなくなったり、見た目が悪くなったりと、日常生活で困る様々な症状が出てきます。

 

また、虫歯治療を行い、歯の機能が回復すれば大丈夫と思うかもしれませんが、虫歯になった原因が取り除かれていないと、また虫歯になってしまいます。

大きな虫歯への対応
 

もちろん日頃からきちんと歯のケアをし、虫歯にならないのが一番ですが、もし、虫歯の進行を遅らせることができれば、日常生活に支障が出る症状を回避したり、治療も最低限で済む場合があります。

 

今回は、そんな虫歯の悪化を防ぐ方法にフォーカスし、お話ししたいと思います。

虫歯予防の基本は歯磨きでしょう?

ポラリス歯科・矯正歯科のブログを読んでくださっている方ならば、「虫歯予防の基本は歯磨き」とお考えになるかと思います。もちろんそれは間違っていませんし、毎日の規則正しい歯磨きは、歯の健康を守るための第一歩です。

 

ただ、今回のテーマは「虫歯の悪化を防ぐ」ことです。この点からすると、より注目していただきたいアプローチがあるのです。以下でご紹介していきましょう。

フッ化物の使用

フッ素とフッ化物

虫歯の悪化を防ぐ、フッ化物の使用
 

まず一つ目に挙がるのは、フッ化物の使用です。皆さんも、虫歯に対してフッ素が効果的と聞いたことがあるかもしれませんね。実際、多くの歯磨き粉や洗口液(マウスウォッシュ)にもフッ素が含まれています。

 

フッ素(fluorine)は天然に存在する元素の一つで、自然界では陰イオンの状態でフッ化物(fluoride)として存在しています。虫歯予防に使われるフッ化ナトリウム(NaF)もフッ化物です。

 

また、日本の食卓でよく並ぶ食品にはフッ化物が多く含まれており、特にお茶や海産物は、フッ化物を多く含みます。

フッ化物の効果

そんな我々の身近にもあるフッ化物ですが、歯科的な観点から考えるフッ化物の効果は、主に3つあります。

エナメル質の強化

歯の構造

フッ化物は唾液の中でフッ化物イオンとして存在します。これがエナメル質(歯の表面を覆う硬い層)に取り込まれることでエナメル質を強くし、虫歯菌が出す酸に対して、歯が溶けにくくなるのです。

 

特に歯の生え変わりの時期にフッ素塗布を行い、歯にフッ化物イオンを取り込んで、強い歯を作っておくことは、虫歯になりにくい歯を作るために大切ですね。

歯の再石灰化の促進

歯の表面のミネラルが溶け出した初期虫歯の再石灰化(再びミネラルを取り込むこと)を促進します。これにより初期の虫歯が健康な歯に戻ったり、虫歯の進行が止まることがあります。

虫歯菌の活動を弱くする

フッ化物(フッ素)は虫歯菌の活動を弱くする
 

細菌の出す酵素の働きを抑制し、歯に粘着させないようにしたり、歯を溶かす酸を出さないようにすることで、虫歯菌の活動を抑えてくれます。

フッ化物の使い方

フッ化物を多く配合した歯磨き粉
 

このように、虫歯に対して有効なフッ化物ですが、すぐできる使い方としては、フッ化物を多く配合した歯磨き粉を用いることが挙げられるでしょう。ただ、年齢によって使用できるフッ化物濃度の目安がありますので、ご注意ください。

歯が生えてから〜2歳

フッ化物濃度1000ppmまで
使用量歯ブラシ先端から1~3mmくらい(米粒程度)
使用頻度寝る前含めた1日2回
磨き方/
磨いた後
うがいができないのでジェルタイプの歯みがきを使い、磨いた後に軽く拭き取ってもよい。使用後の歯みがきは、子どもの手の届かない所に保管する。

3~5歳

フッ化物濃度1000ppmまで
使用量歯ブラシ先端から5mm(グリーンピース程度)
使用頻度寝る前含めた1日2回
磨いた後磨いた後のうがいは5~10mlの水で1回ゆすぐ。

6歳以上

フッ化物濃度1500ppmまで
使用量1~2センチ程度(歯ブラシ全体)
使用頻度寝る前含めた1日2回
磨いた後磨いた後のうがいは15mlの水で1回ゆすぐ。

その他のフッ化物の使い方

歯磨き粉以外には、フッ化物配合のうがい薬もあります。これらは製品ごとの指示どおりに使いましょう。フッ化物配合のサプリメントや飲料水もありますが、こちらは日本では入手できません。

 

また、必要があれば、歯科医院で高濃度のフッ化物を配合した薬剤を用いて、処置することもできます。

糖の制限

フッ化物の使用に続き、もう一つ心掛けていただきたいのは、糖分の制限です。虫歯菌は糖をエサにして、歯を溶かす酸を出します。そのエサをなるべく少なくすれば、虫歯の進行を遅くすることができるというわけです。摂り方やどんな種類の糖を選ぶかにも気をつけてください。

糖の摂取量

WHOは、ガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」(Sugars intake for adults and children)の中で、虫歯の進行を防ぐために遊離糖の摂取を制限することを勧めています
 

WHOは、ガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」(Sugars intake for adults and children)の中で、虫歯の進行を防ぐために遊離糖(ゆうりとう)の摂取を制限することを勧めています。

 

遊離糖とは、ブドウ糖や果糖などの単糖類と、麦芽糖やしょ糖、砂糖などの二糖類のことで、食品や飲料の添加物として使われる糖類のほか、蜂蜜やシロップ、果汁の中に存在する糖類を指します。

 

この遊離糖類の1日当たりの摂取量を、エネルギー総摂取量の10%未満に抑えることを目標とし、5%未満にできるとさらに効果が出ると言われています。これは砂糖で言うと約25gです。

糖の摂り方

糖分の摂り方としては、時間を決め、回数も控えめにして摂取するのが良い
 

上述のとおり、虫歯菌は糖をエサに酸を出して歯を溶かします。しかし、この酸は唾液により中和されます。中和されると、歯から唾液に溶け出したミネラルは歯に戻り、再石灰化が行われ、歯が修復されるというメカニズムが働きます。

 

そのため、糖分を摂取する場合、少量の糖を何度も摂ると、口の中が酸性になっている時間が長く、唾液により中和される時間も取れないため、虫歯のリスクは高くなります。甘い食べ物や飲み物は、一日中ちょこちょこ口に入れるのではなく、時間を決め、回数も控えめにして摂取しましょう。

代用甘味料にする

虫歯を悪化させないためには、代用甘味料にするのも良い
 

砂糖などの遊離糖は虫歯菌のエサになってしまいますが、これを虫歯菌が利用することのできない糖に変更すれば、虫歯菌は酸を産生することができなくなります。

 

虫歯菌が利用できないのは、糖アルコール非糖質性甘味料です。糖アルコールとは、天然に存在する糖から製造され、糖質が持つカルボニル基に水素を添加した糖質の総称で、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等があります。キシリトールなどはガムにも用いられているので、聞いたことがあるかもしれませんね。

 

非糖質性甘味料とはステビア、グリチルリチン、羅漢果(らかんか)等の天然系の甘味料と、アスパルテーム、サッカリン、スクラロース等の化学的に生産される甘味料とに分類できます。こちらも、ステビアなどは多くの飲料に甘味料として使用されており、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。

定期的な歯科検診

虫歯を悪化させないために重要なのは、やはり定期的な歯科検診
 

さて、最後に大切なのは、やはり歯科医院で検診を受けることです。歯科医院での定期検診は、専用機材によるPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)で、ご自身では取り切れない汚れを取るだけでなく、レントゲン撮影等の様々な検査を行うことによって、虫歯の進行度を管理することができます。

 

虫歯を治療する際には、虫歯の大きさだけでなく、その虫歯が現在進行しているかどうかという点も大切です。歯の状態を時系列で追うために、定期的な歯科検診を受け、必要があれば高濃度フッ化物処置や口腔衛生指導を受けましょう。

虫歯を悪化させないために

虫歯を悪化させないために、ポラリス歯科・矯正歯科へお気軽にご相談ください
 

今回は、虫歯があってもその進行を遅らせるために、また、治療後に再度虫歯にならないようにするために、気をつけていただきたいことについてお伝えしました。

 

フッ化物を活用し、糖分の摂り方や選び方に注意しつつ、定期的に歯科検診を受けることが大切だとお分かりいただけたかと思います。 日頃から今回お伝えしたことにご留意いただければ、虫歯の悪化を防ぐことにつながります。

 

予防歯科・メンテナンスのページでもお伝えしていますが、ポラリス歯科・矯正歯科では、患者さんの歯をしっかりと守り、QOLの向上に役立てるよう、国家資格を持つスタッフが真摯に対応いたしますので、お口の健康について疑問やご質問がある方は、お気軽にお問い合わせください。